「まだ使えるから」で先延ばしにすると、毎年お金を捨てている
法人PCの入れ替えタイミングは、IT部門と経理部門で意見が割れがちです。IT部門は「性能が落ちてきたから替えたい」、経理は「まだ動いてるから来年でいい」。どちらの言い分もわかりますが、感覚ではなく数字で判断すべきです。
結論を先に書きます。法人PCの入れ替えは、購入から3年目がベストタイミングです。
これは「なんとなく3年」ではなく、法定耐用年数・減価償却・買取相場の3つの軸を重ねて導いた答えです。ここからその根拠を具体的に説明します。
軸1:法定耐用年数は「4年」
法人が購入したPCの法定耐用年数は4年です(減価償却資産の耐用年数等に関する省令、「電子計算機」のうちパーソナルコンピュータ)。
つまり、税務上は4年で資産価値がゼロになる前提です。4年目の期末に簿価が1円(備忘価額)になる。5年目以降は帳簿上の資産価値はゼロだけど、現物は手元に残っている状態。
ここで「4年で償却が終わるなら5年使えば得じゃないか」と思うかもしれません。が、これは会計上の話であって、実際のPCの価値とは別の話です。
軸2:減価償却のスケジュール
定額法で購入価格15万円のPC(法人の標準的な調達単価)を償却する場合。
3年目の期末で簿価は37,500円。この時点でPCを売却した場合、買取額が簿価を上回れば固定資産売却益が計上されます。
たとえば3年目のThinkPad T14(第12世代Core i5)の買取相場は13,000〜20,000円。簿価37,500円を下回るので、差額が売却損になります。「損が出るなら売らないほうがいいのでは?」と考えるかもしれませんが、これは逆です。売却損は税務上の損金になるため、法人税の節税効果があります。
4年目の期末まで待つと簿価は1円。買取額が5,000円だとしても売却益4,999円が計上されます。会計処理としてはどちらでも対応できますが、3年目のほうが買取額自体が高いという点が決定的な差です。
軸3:買取価格の下落カーブ
ここが最も重要な軸です。法人PCの買取価格は、年数経過に対して直線的に下がるのではなく、3年目以降に急落します。
ThinkPad T14を例にとると——
注目してほしいのは3年目→4年目の落差です。下落率が一気に加速する。これには理由があります。
中古PC市場では「3世代前」が価値の分かれ目になる。 2026年時点でIntelの最新は第14世代。3世代前の第11世代(2021年発売)までは中古市場で実用的と見なされ、安定した需要があります。が、それ以前になると「型落ち感」が強くなり、売れ行きが鈍化。業者も在庫リスクを織り込むため、査定が急に渋くなります。
つまり、購入から3年目で売れば「まだ実用的な世代」として高値がつくが、4年目に入ると「古い世代」として一気に値崩れする。この境界が3年目にある。
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3つの軸を重ねた結論
| 判断軸 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | |---|---|---|---| | 法定耐用年数 | 償却中(簿価あり) | 償却完了 | 償却完了 | | 減価償却 | 売却損→損金算入可 | 売却益→課税対象 | 売却益→課税対象 | | 買取価格 | まだ高い | 急落 | ほぼ値がつかない |
3年目は——
- 買取価格がまだ高い位置にある
- 売却損が損金になるため、税務上も有利に働く余地がある
- PCの性能もビジネス用途で十分現役
4年目以降は——
- 買取価格が急落し、「売るメリット」自体が激減する
- 故障リスクが上がり、修理費や業務停止のコストが発生しやすくなる
- バッテリー劣化で外出時の運用に支障が出始める
「5年使い切る」のコスト、計算してみてください
「4年目・5年目はタダで使えるんだから得じゃないか」という意見はよく聞きます。しかしこれは見えないコストを無視した議論です。
修理コスト。 バッテリー交換1.5万円、キーボード交換1万円、SSD故障で交換2万円。4年目以降のPCは故障率が上がり、年間平均で1台あたり5,000〜15,000円の修理費がかかるケースがあります。
生産性の低下。 起動に3分、Teamsの画面共有でフリーズ、Excelの大きいファイルを開くのに30秒。こうした「遅さ」は毎日の積み重ねで年間数十時間の損失になります。社員の時間単価3,000円で年40時間のロスなら12万円。PCの残存価値よりはるかに大きい。
セキュリティリスク。 古いPCはファームウェアアップデートの対象外になることがあります。Windows 11の次期アップデートでハードウェア要件が厳格化される可能性もあり、サポート切れのリスクは年々高まります。
入れ替え計画の立て方
全台一括入れ替え vs ローテーション
台数が50台以下なら一括入れ替えが効率的です。業者との交渉も1回で済みますし、スケールメリットで買取単価も上がります。
100台以上の場合は、毎年1/3ずつ入れ替えるローテーション方式が現実的。毎年の予算を平準化できるうえ、常に「3年以内のPC」だけで運用できます。
予算取りのタイミング
3年サイクルで回すなら、購入から2年目の下期に翌年度の予算を確保しておく必要があります。この段階で買取業者に概算見積もりを取っておくと、稟議書に「買取収入○○万円を見込むため、実質の調達コストは○○万円」と書けます。これは決裁者に刺さります。
年度末を避ける
前述の通り、3月に買取を出すと市場に中古PCが溢れて査定が下がります。可能なら4月〜6月の入れ替えを推奨します。新PCの納品リードタイムも年度末より短いので、移行作業のスケジュールにも余裕が出ます。
3年サイクル、今日から計画を始めてみてください
法人PCの入れ替えは「壊れたら買う」ではなく「計画的に回す」ものです。3年目がベストタイミングである根拠は、耐用年数・減価償却・買取価格のどの軸で見ても明確。まずは手元のPCの購入時期を確認して、3年を超えている機器がないかチェックしてみてください。該当するPCがあれば、買取査定だけでも取っておくと、次年度の予算計画の精度が格段に上がります。
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